1. Nature Japan
  2. Nature Genetics
  3. v43 n7
  4. 悪性胸膜中皮腫では体細胞変異と3p21.1の
欠失により核内脱ユビキチン化酵素BAP1が
一般に不活性されている
Letter

中皮腫：悪性胸膜中皮腫では体細胞変異と3p21.1の
欠失により核内脱ユビキチン化酵素BAP1が
一般に不活性されている

Nature Genetics 43, 7 doi: 10.1038/ng.855

悪性胸膜中皮腫（MPM）ではCDKN2AとNF2の不活性化を見ることが多いが、これ以外の頻発する変異は報告されていない。さらなる駆動遺伝子を見つけるため、53例のMPM腫瘍サンプルについて総合的ゲノム解析を行い、絞り込んだ塩基配列決定を行った結果、23%のMPMでBAP1に不活性化体細胞変異を見つけた。核内脱ユビキチン化酵素BAP1はヒストン（ポリコーム抑制サブユニットとしてのASXL1とともに）およびHCF1転写コファクターを標的としていることが知られているが、MPM培養細胞株でBAP1をノックダウンすると、E2Fとポリコームの標的遺伝子群に影響することが明らかになった。これらの所見はMPMの発症に転写の調節異常がかかわっていることを示すものである。
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