Technical Report

マイクロRNA:シード配列を標的とする極小LNAによる、マイクロRNAファミリーの機能阻害

Nature Genetics 43, 4 doi: 10.1038/ng.786

動物におけるマイクロRNA(miRNA)の広範囲にわたる生物学的役割の解明を目的として、miRNAの機能喪失を研究するための遺伝学的および機能的なゲノム解析技術の開発が促されている。ところが、miRNAファミリー全体の機能を詳細に調べるツールはまだ限られている。本論文では、miRNAの機能への拮抗が可能な、固定化核酸(LNA)オリゴヌクレオチドを用いた方法を開発したので報告する。この8ヌクレオチド長という極小LNAは、miRNAのシード配列を標的としている。極小LNAを細胞にトランスフェクションすると、miRNAファミリーのうち同一のシード配列を共有するmiRNAが同時に阻害され、それに伴って標的mRNAの発現上昇がみられた。さらに、非結合型の極小LNAはマウスの全身に運ばれ、多くの正常組織や乳腺腫瘍に取り込まれていた。そして、これらの組織において長期にわたるmiRNAの阻害が観察された。転写物およびタンパク質の総体のプロファイリングから、極小LNAのオフターゲット効果は軽微であり、極小LNAと完全に相補的な部位を含むmRNAに対する抑制効果に有意な変化が見られないことが示唆された。上記の研究結果は総じて、in vivoでのmiRNAファミリーの機能解明における極小LNAの有用性を裏付けるものである。

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