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冠動脈疾患:ヨーロッパ系および南アジア系の集団の
ゲノムワイド関連解析によって5種類の
冠動脈疾患座位が新たに特定された

Nature Genetics 43, 4 doi: 10.1038/ng.782

ゲノムワイド関連解析によって冠動脈疾患(CAD)と関連すると考えられる11の頻度の高い配列の多様性が見つかった。この数字は、CADを遺伝すると思われるもののうち、最も厳しく見積もったものの数である。これらの配列はすべてヨーロッパ系集団で発見されている。本論文では、CADについての大規模ゲノムワイド関連解析を4種類統合したメタ解析について報告する。すなわち、患者(症例)15,420人(ヨーロッパ系8,424人、南アジア系6,996人)、および対照群15,062人から構成される発見データセットにおいて、約575,000の遺伝子型の明らかなSNPの疾患への関連を調べた。4つの各データセットには祖先特異的な関連を示す座位の存在を示す証拠はほとんどなく、このことはこれらの関連解析のデータの統合を促すものであった。さらに、これとは別の、患者21,408人および対照19,185人において追試研究を行い、新たな5つのCAD関連座位を同定した(統合発見解析および再現性解析においてこれらの座位のPは5×10−8未満である)。すなわち、染色体領域10q23のLIPA、11q22のPDGFD、15q25の ADAMTS7-MORF4L1、7q22の遺伝子に富んだ座位、10p11のKIAA1462である。PDGFD座位におけるCAD関連SNPは、組織特異的なシス性の発現量的形質座位効果を示した。上記の知見はCAD感受性に対する新たな経路の関与を示すものである。

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