Technical Report

塩基配列決定:集団スケールでの塩基配列決定による
ゲノム構造多型の発見と遺伝子型の同定

Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.768

大きな集団でのゲノム多様性の精密かつ完全な解析は、複雑な疾患におけるゲノムの多様性の影響を理解するのに必要なものである。本研究では、配列データを用いて、何百、何千ものゲノムにわたる集団中の欠失多型について明らかにする解析のフレームワークを示す。ゲノム構造の多様性をしばしば反映する配列データの技術的な特性を解釈するのに、本アプローチでは集団レベルの解析方法を提案する。1000ゲノムプロジェクトにおける欠失多型の同定では、168のゲノムにおいて、このアプローチが他のアルゴリズムに比べてはるかによい感度と特異度を示すことができた(平均、4倍のカバー率で塩基配列決定)。また本研究では、それぞれのゲノム中における各欠失多型の対立遺伝子の状態や遺伝子型を特定する方法についても述べる。1000ゲノムプロジェクトでは、高い精度で集団から13,826の欠失多型(48-995,664bp)を分類するのにこの手法が用いられた。本手法は、集団中のゲノム構造の多型を複雑な疾患に関連づけるための方法について提案するものである。

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