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エリテマトーデス:TNFAIP3の下流の機能的多型と全身性エリテマトーデスの関連

Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.766

全身性エリテマトーデス(SLE、MIM152700)は、自己反応性抗体を特徴とする自己免疫疾患で、全身性の炎症と臓器不全が引き起こされる。ユビキチン化修飾酵素A20をコードするTNFAIP3が、SLEの感受性座位であることは確立されている。本研究では、さまざまな民族集団における精細マッピングやゲノムの塩基配列再決定によって、TNFAIP3のリスクハプロタイプの特徴を十分に明らかにし、ヨーロッパ系の人(P=1.58×10−8、オッズ比=1.70)と韓国系の人(P =8.33×10−10、オッズ比=2.54)において、TT>A多型ジヌクレオチド(Tの欠失に続くTのAへのトランスバージョン)がSLEに関連することを明らかにしたので報告する。この多型は、高度に保存された、調節部位の可能性がある領域に位置しており、NF-κBのサブユニットから構成される核タンパク質複合体との結合が低下していた。さらに、非リスクハプロタイプと比較した場合、この多型のあるハプロタイプでは、TNFAIP3 mRNAとA20タンパク質の発現が低下していた。これらの結果は、このTT>A多型が、TNFAIP3とSLEとの関連の原因となる機能多型である可能性が最も高いことを確立するものである。

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