Article

セントロメア:HP1αをセントロメア周辺のへテロクロマチンに新たに集積するのを促進するSUMO化

Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.765

HP1がセントロメア周辺(ペリセントリック)のへテロクロマチンに豊富にみられることはセントロメアの機能に重要と考えられている。HP1のH3K9me3への結合によって、セントロメア周辺のへテロクロマチンへの蓄積を説明できるが、どのようにして最初にそこに集められるかは不明なままである。ここでは、マウスの細胞で、セントロメア周辺のへテロクロマチンの主要サテライトの反復配列に対応する、長い非コード領域の転写産物が存在することを示す。さらに、正方向の主要な転写産物は、SUMOにより修飾されたHP1タンパク質と特異的に会合していることを見いだした。この修飾はSUMO-1によるものであることを同定し、その部位が、HP1αのヒンジ領域に位置することを明らかにした。注目すべき点として、ヒンジ領域とそのSUMO化は、HP1領域の維持には必要ではないが、HP1αのセントロメア周辺の領域への最初の集積には重要であることを、新規に起こる局在化をテストすることにより証明した。SUMO-HP1は、主要な転写産物と特異的に会合することにより、セントロメア周辺のへテロクロマチン領域へと案内されることで、さらなるHP1の局在化の「種」となっていると提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度