Letter

クロマチン:クロマチンの接近しやすさが、グルココルチコイド受容体の結合パターンをあらかじめ決めている

Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.759

発生、分化、環境からの刺激に対する応答は、調節を受けた転写因子がしかるべきゲノム領域へde novoの結合することにより開始される細胞の状態の連続的な変化が特徴になっている。ある1つの調節因子がゲノム上の何千万という可能な結合部位から、限られた数の結合部位を選び出す仕組みはまだわかっていない.ここでは、典型的なリガンドの活性化による転写因子であるグルココルチコイド受容体のde novoのゲノム結合部位の95%までが、既存の接近可能なクロマチン領域にあることを示す。転写因子の結合はクロマチンの接近しやすさを必ず高めている。グルココルチコイド受容体の占有的な結合パターンにより、クロマチンの接近しやすさ状態のベースラインは、局所的な塩基配列の2次的な寄与はあるものの、細胞に特異的な差によって完全に決められている。これらの結果は調節因子−ゲノム相互作用の枠組みを決め、ステロイド薬剤や生きているゲノムと交叉する他の試薬の組織ごとの選択性の分子的基盤を提供する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度