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レクチン:レクチン補体経路の遺伝子であるCOLEC11およびMASP1の変異によって3MC症候群が引き起こされる

Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.757

Carnevale症候群、Mingarelli症候群、Malpuech症候群、Michels症候群は、疾患の特徴が重なるため、まとめて3MC症候群と呼ぶことが提案されている。これらの稀な常染色体劣性疾患は、顔の特徴的な変形、口唇裂や口蓋裂、頭蓋骨癒合症、学習障害、生殖器や手足および膀胱腎臓の異常を含む、さまざまな発生学的特徴を示す。本論文では、3MC症候群の11家系について検討し、変異のみられる遺伝子を2個(COLEC11およびMASP1)同定した。どちらの遺伝子も、レクチン補体経路のタンパク質をコードしている〔それぞれcollectin kidney 1(CL-K1)およびMASP-1/MASP-3〕。CL-K1はマウス胚の頭蓋顔面軟骨、心臓、気管支、腎臓、および椎体で高発現している。どちらの遺伝子発現を阻害したゼブラフィッシュのモルファントでも、色素欠損と重度の頭蓋顔面異常がみられる。最終的に、CL-K1が神経堤細胞移動を誘導する合図となることを示す。まとめると、これらの知見は、基本的な発生過程や3MC症候群の病因における補体経路の因子の役割を示すものである。

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