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統合失調症:8p12および1q24.2のありふれた多型は統合失調症発症リスクの原因となる

Nature Genetics 43, 12 doi: 10.1038/ng.980

統合失調症は重度の精神疾患の1つで、世界人口のほぼ1%が発症し、最大80%の遺伝率で引き継がれていく。集団中に高頻度にみられる遺伝性リスク因子を新たに同定するため、漢族中国人を対象にゲノムワイド関連解析を行った。疾患関連性を検出するための解析に用いた標本は、統合失調症症例3,750例と対照群(健常者)6,468例からなる(北部漢族の症例1,578例と対照群1,592例。中央部漢族の症例1,238例と対照群2,856例。南部漢族の症例934人と対照群2,020人)。さらに、最も強い関連を示すシグナルに対して、前記とは異なる漢族コホート(症例4,383例、対照群4,539例)を用いてその関連性を検討した。メタ解析の結果、高頻度で存在し、統合失調症との関連をゲノムワイドな有意差で示すSNPが
8p12(rs16887244、P=1.27×10–10)、および
1q24.2(rs10489202、P=9.50×10–9)に見つ
かった。今回の研究成果は、統合失調症の発生機序に関して新たな知見を提供するものである。

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