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神経変性疾患:エキソーム配列解析によって明らかになった、発作性運動誘発性ジスキネジアを発症させるPRRT2の短縮型変異

Nature Genetics 43, 12 doi: 10.1038/ng.1008

発作性運動誘発性ジスキネジアは最もよく見られる種類の発作性運動疾患であり、臨床上、てんかんとして誤って診断されることが多い。全エキソーム塩基配列決定およびその後のサンガー法による塩基配列決定の結果、発作性運動誘発性ジスキネジアの発症歴のある漢族中国人の8家系に
おいて、PRRT2(NM_145239.2)に3種類の短縮型変異を同定した。すなわち、1家系において
c.514_517delTCTG(p.Ser172Argfs*3)、
6家系でc.649dupC(p.Arg217Profs*8)、1家系
でc.972delA(p.Val325Serfs*12)が同定された。これらの短縮型変異は該当家系において疾患とまさしく共分離し、同一家系の健常者1,000人においてはその存在が認められなかった。PRRT2は新たに発見された遺伝子で、4つのエキソンからなり、プロリンリッチ膜貫通タンパク質2をコードしている。PPRT2は340のアミノ酸から構成され、膜貫通ドメインであると思われる2つのドメインを含んでいる。そして、PRRT2は発生途上の神経系で高度に発現しており、短縮型変異はPRRT2の細胞内所在を変化させる。PRRT2の機能、および発作性運動誘発性ジスキネジアにおける役割については、さらなる解析が期待される。

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