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乳がん:FOXA1はエストロゲン受容体機能と内分泌応答の主要な決定因子である

Nature Genetics 43, 1 doi: 10.1038/ng.730

エストロゲン受容体α(ER)は、ほとんどの乳がんの重要な特徴であり、ゲノムへのERの結合はフォークヘッドタンパク質であるFOXA1(別名、HNF3α)の発現との相関がみられる。本論文では、FOXA1がERとクロマチン間の相互作用の差異に影響を与えることができる主要な決定因子であることを示す。ほぼすべてのER-クロマチン相互作用と遺伝子発現変化は、FOXA1の存在に依存しており、また、FOXA1はゲノムワイドにクロマチンへの接近しやすさに影響を与えた。そのうえ、我々は、CTCFがFOXA1-クロマチン相互作用の上流の負の調節因子であることを見いだした。エストロゲン応答性乳がん細胞においては、タモキシフェン-ER活性のFOXA1依存性が明白であった。また、タモキシフェン耐性細胞においては、ERの結合はリガンドとは独立しているが、FOXA1に依存していた。非乳がん細胞におけるFOXA1の発現は、ERの結合と機能を変化させることができる。そのため、FOXA1は乳がん細胞におけるエストロゲン-ER活性と内分泌応答の主要な決定因子である。

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