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食道がん:10q23のPLCE1は胃腺がんと食道扁平上皮がんの共通の感受性座位

Nature Genetics 42, 9 doi: 10.1038/ng.649

中国人の胃がんと食道扁平上皮がん(ESCC)について、551,152個のSNPについて遺伝子型を決め、ゲノムワイドの関連解析を行った。5つの研究から集めた2,240例の胃がん症例、2,115例のESCC症例、そして3,302人の対照者を合わせて解析を行った。年齢、性別、研究別を調整したロジスティック回帰モデルでは、10q23の複数の変異が、胃がんとESCCについて独立に、ゲノムワイドの有意性を示した。注目すべき関連はrs2274223にみられた。これは、PLCE1中にある非同義的なSNPで、胃がん〔P=8.40×10−9、対立遺伝子あたりのオッズ比(OR)=1.31〕、ESCC(P=3.85×10−9、OR=1.34)であった。胃がんに対する関連は胃内の解剖学的部位によって異なっていた。噴門部の腫瘍に対する関連は強く(P=4.19×10−15、OR=1.57)、噴門部以外の胃腫瘍に対する関連はみられなかった(P=0.44、OR=1.05)。10q23についてのわれわれの発見は、中国における両がんの高率発生に洞察を与えるものである。

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