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ナルコレプシー:ゲノムワイド関連解析からナルコレプシーを強力に防御する新しいHLAクラスIIハプロタイプが明らかになる

Nature Genetics 42, 9 doi: 10.1038/ng.647

ナルコレプシーは稀な睡眠障害で、これまでに報告された中で、ヒト白血球抗原(HLA)と最も強い関連を示す疾患である。この関連がみられるHLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプは、一般集団でありふれている(15〜25%)ので、ナルコレプシーの発症にほぼ必要であるが十分ではないことが示唆されている。ナルコレプシーのリスクの遺伝的基盤をさらに明らかにするため、ナルコレプシーを罹患するヨーロッパ系の人562人(症例)と民族がマッチした対照702人においてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行うとともに、独立した症例370人と対照495人において追試研究を行った。これらの研究では、すべてDRB1*1501-DQB1*0602がヘテロ接合である人を対象とした。我々は、HLA-DQA2(rs2858884。P<3×10−8)近傍の防御的に作用する変異との関連を見出した。さらなる解析から、rs2858884は、DRB1*03-DQB1*02P<4×10−43)およびDRB1*1301-DQB1*0603P<3×10−7)と強い関連があることが明らかにされた。症例においては、トランスハプロタイプDRB1*1301-DQB1*0603はほとんどみられなかった(オッズ比=0.02。P<6×10−14)。この予想もしなかった防御的に作用するHLAハプロタイプから、ナルコレプシーの感受性にこのHLA領域が実質的に原因として関与していることが示唆される。

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