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感染症:髄膜炎菌による宿主疾患感受性はCFH領域の多型が関係していることがゲノムワイド関連解析により見つかった

Nature Genetics 42, 9 doi: 10.1038/ng.640

髄膜炎菌症はNeisseria meningitidisによる感染症である。宿主感受性と病気の進行には遺伝要因が寄与しているが、病気の発生にかかわる遺伝子についてはほとんど未知であった。本研究は、髄膜炎菌症の宿主感受性について、英国の475人の髄膜炎菌症患者と4,703人の対照集団に対して行ったゲノムワイド関連解析である。最も有意なSNPについて、西ヨーロッパおよび南ヨーロッパのコホート(968人の患者と1,376人のコントロール)で、2回の追試研究を行った。補体因子のSNPクラスターはいずれのコホートでもそれぞれが独立して再現され、補体因子H(CFH)内のSNP〔rs1065489(p.936D<E)、P=2.2×10-11〕、CFH関連タンパク質3(CFHR3)(rs426736、P=4.6×10-13)であった。N. meningitidisは、宿主のCFHを髄膜炎菌のH因子結合タンパク質(fHbp)に結合させることによって、補体仲介殺菌作用を免れていることが知られている。本研究はこれらの補体活性化の制御因子の遺伝的多型が、侵襲的に病気を発症するか、無症状の病原体の侵入になるかを決める上で役割を果たしていることを示している。

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