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B型肝炎:ゲノムワイド関連解析によって、B型肝炎ウイルス持続感染者にみられる肝細胞がんの新規感受性遺伝子座として1p36.22が同定された

Nature Genetics 42, 9 doi: 10.1038/ng.638

B型肝炎ウイルス(HBV)関連肝細胞がん(HCC)の感受性変異を同定するために、HCCを罹患している355人のHBV持続感染者と、HCCを罹患していない360人のHBV持続感染者において、440,794個のSNPの遺伝子型決定によるゲノムワイド関連解析を行った。我々は、染色体1p36.22のKIF1Bのイントロン内にある1つのSNP(rs17401966)が、HBV関連HCCに強く関連していることを明らかにし、さらに、この関連を、HCCを罹患している1,962人、対照者1,430人、および患者と両親の3人組の159組からなる、独立した5つのサンプルにおいて確認した。この6つの研究にわたって、このrs17401966との関連は統計的にきわめて顕著であった(統合オッズ比=0.61、P=1.7×10−18)。この関連領域では、KIF1Bに加えて、他の2つの有望な原因遺伝子(UBE4BおよびPGD)がタグとして選択された。我々の知見から、1p36.22遺伝子座がHBV関連HCCの感受性に寄与する証拠が示され、また、KIF1B、UBE4BあるいはPGDに関連する経路がこの悪性疾患の発症機序に関与する可能性が示唆される。

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