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遺伝子再編成:アンドロゲンに誘発されたTOP2Bによる二本鎖切断と前立腺がんの遺伝子再編成

Nature Genetics 42, 8 doi: 10.1038/ng.613

DNA二本鎖切断(DSB)は、がんに特徴的なゲノム再編成を起こすことしうる。膜貫通性セリンプロテアーゼアイソフォーム2をコードするTMPRSS2と、v-ets赤芽球症ウイルスE26がん遺伝子ホモログをコードするERGの融合は、ヒトがんで最も普通にみられる発がん性の遺伝子再編成(組換え)である。本論文では、アンドロゲンのシグナルが、アンドロゲン受容体とトポイソメラーゼIIベータ(TOP2B)をTMPRSS2-ERGのゲノム切断点に同時に動員し、組換えを引き起こすTOP2Bを介したDSBを開始することを明らかにする。さらに、アンドロゲンによる刺激はTOP2BやDSB修復機構の構成成分を必須とする過程を経て、TMPRSS2-ERG融合転写物のde novo産生を起こした。また、正常の前立腺上皮とは異なり、上皮内がん細胞はアンドロゲン受容体とTOP2Bの強い同時発現を示した。これらの所見は、アンドロゲンに誘発されたTOP2Bを介するDSBが、TMPRSS2-ERG再編成に関与していることを示している。

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