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子宮内膜症:ゲノムワイド関連研究によって日本人の子宮内膜症に関連するCDKN2BAS遺伝子座の遺伝的多型がリスク因子として同定された

Nature Genetics 42, 8 doi: 10.1038/ng.612

子宮内膜症の発症機序は十分に解明されていないが、遺伝要因がその病因に重要な役割を果たしていると考えられている。日本人の子宮内膜症1,907例(症例)と対照5,292例を用いて、ゲノムワイド関連解析と追加試験を実施し、染色体9p21のCDKN2BAS(cyclin-dependent kinase inhibitor 2B antisense RNAをコードする)に位置するSNP rs10965235が子宮内膜症との有意な関連をもつことを明らかにした(P=5.57×10−12、オッズ比=1.44)。詳細なマッピングによって、最も強い関連を示すSNPが、CDKN2BASのイントロン16に位置していること、また、これががん抑制遺伝子p15、p16およびp14の発現調節に関与していると推測された。さらに、染色体1p36のWNT4(女性生殖管の発生に重要な役割を果たすと考えられる)を含むLDブロックのSNP rs16826658が、子宮内膜症と関連する可能性が示された(P=1.66×10−6、オッズ比=1.20)。我々の知見は、これらの領域が子宮内膜症の新しい感受性遺伝子座であることを示唆している。

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