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肺機能:ゲノムワイド関連解析から肺機能に関連する5つの遺伝子座が同定される

Nature Genetics 42, 1 doi: 10.1038/ng.501

肺機能の検査値は、遺伝性の形質を示すもので、病的な状態や死亡率の予測、また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の確定に使われる。我々は、SpiroMetaコンソーシアム(ヨーロッパ系の人、n=20,288)において、最初の1秒間の努力肺活量(一秒量:FEV1)、および努力肺活量(FVC)に対するFEV1の割合とのゲノムワイドな関連を検討した。このゲノムワイド研究で上位にランク付けされたSNPについて、直接遺伝子型決定を行い(さらに、n≤32,184人)、加えて、CHARGE コンソーシアム(n=21,209)とHealth 2000 survey(n≤883)において、in silicoで関連を検討して総括し、それらのデータのメタ解析を行った。我々は、4q31の報告されている遺伝子座を確認し、さらに5つの遺伝子座のありふれた多型とFEV1あるいはFEV1/FVCとの関連を明らかにした。つまり、2q35のTNS1P=1.11×10−12)、4q24のGSTCDP=2.18×10−23)、5q33のHTR4P=4.29×10−9)、6p21のAGERP=3.07×10−15)、および15q23のTHSD4P=7.24×10−15)である。mRNA解析から、ヒトの肺組織において、TNS1GSTCDAGERHTR4およびTHSD4の発現が示された。これらの関連は、肺機能の調節機構を理解する手がかりとなり、また、呼吸器疾患を軽減する介入の標的となる可能性を示すものである。

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