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パーキンソン病:神経膠芽腫およびその他のヒト悪性腫瘍におけるパーキンソン病関連遺伝子PARK2の体細胞変異

Nature Genetics 42, 1 doi: 10.1038/ng.491

E3ユビキチンリガーゼをコードするPARK2遺伝子の変異は、若年発症パーキンソン病のなかで最も頻度が高い。がん抑制遺伝子の多遺伝子座検索により、がんにおいて頻繁に標的となっている染色体6q25.2-27上の遺伝子としてPARK2を同定した。ここでは、ヒトがんにおける機能欠失性の体細胞変異とPARK2遺伝子内に頻繁にみられる欠失について示す。がんにおけるPARK2変異は、家族性パーキンソン病を起こす生殖細胞変異と同じドメインか、時には同じアミノ酸に起きている。がん特異的変異ではPARK2タンパク質の増殖抑制効果が消失した。がんのPARK2変異では、PARK2のE3リガーゼ活性が減少し、サイクリンEをユビキチン化する能力が障害され分裂不安定性が生じる。これらのデータはPARK2が、6q25.2-q27のがん抑制遺伝子であることを強く示唆する。このように、生殖細胞で変異が起きると神経機能障害を起こすPARK2遺伝子は、神経以外の体細胞で変化するとがん発生に関与する可能性がある。

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