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がん:膵臓がん感受性と関連するABO遺伝子座の変異がゲノムワイド関連解析によって明らかになった

Nature Genetics 41, 9 doi: 10.1038/ng.429

膵臓がんは、世界的にみて罹患者の生存率が最も低いがんである。今回、膵臓がん発症リスクについての2段階ゲノムワイド関連解析を行った。まず、12種類の前向きコホート研究と、1種類の病院内症例対照研究から抽出した、膵がん罹患者1,896人と対照者1,939人において、558,542のSNPについて疾患関連性を示す遺伝子型を決定した。続いて、上記とは別個の8種類の症例対照研究から、解析、性、祖先、5つの主成分による違いを調整して得られた罹患者2,457人と対照者2,654人の関連解析を上記と統合した。その結果、第9染色体長腕(9q34)上の、rs505922というSNPを含む遺伝子座と膵がんとの関連が明らかになった(統合P=5.37×10−8、オッズ比は対立遺伝子1個につき1.20、95%信頼区間は1.12−1.28)。このSNPは、ABO式血液型決定遺伝子ABOの1番目のイントロンに位置している。今回の研究結果は、血液型がO型である場合、膵臓がん発症リスクがA型やB型の場合に比べて低いとする、これまでに得られた疫学的証拠と矛盾しない。

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