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クロマチン:H3K36me3によるイントロンと発現しているエクソンとを区別するクロマチンの修飾

Nature Genetics 41, 3 doi: 10.1038/ng.322

ヒストン尾部のメチル化パターンの変化は、クロマチンの構造と機能の調節を反映している。線虫Caenorhabditis elegansのクロマチンの機能解析の大枠を示すために、ヒストンH3尾部のメチル化のゲノム全域のマップを作り上げた。C. elegansの遺伝子でのヒストンの修飾には、他の生物と同じように、転写開始点近くではH3K4me3が、遺伝子の本体ではH3K36me3が、抑制された遺伝子ではH3K9me3が豊富にあるという分布がみられた。また新しいパターンも検出され、エクソンはイントロンに比べると優位にH3K36me3で修飾されていた。エクソンのH3K36me3による修飾は転写に依存しており、選択的なスプライシングを受けたエクソンでは低いレベルであったので、スプライシングに関連した修飾であることが示唆された。さらに、H3K36me3による修飾のエクソンとイントロンとの差にはヒトとマウスで進化的な保存がみられた。クロマチンにおけるH3K36me3の修飾は転写とスプライシングの動的な関連を示していることを提案したい。

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