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パーキンソン病:ゲノムワイド関連解析によって、パーキンソン病の遺伝的リスク因子としてありふれた変異が4か所の遺伝子座位に同定された

Nature Genetics 41, 12 doi: 10.1038/ng.485

パーキンソン病(PD)感受性の原因となるバリアントを同定するために、ゲノムワイド関連解析(GWAS)および2種類の再現実験を、全体で症例2,011例と対照18,381例からなる日本人集団に対して行った。その結果、1q32上に新たな感受性座位を同定し(P=1.52×10−12)、これをPARK16と名づけた。また、第2の新PDリスク座位として4q15のBST1を同定した(P=3.94×10−9)。さらに、4q22のSNCAP=7.35×10−17)と12q12 のLRRK2P=2.72×10−8)で強い関連を検出した。これらは両方とも常染色体優性遺伝性パーキンソニズムに関係している。ヨーロッパ系集団に対して行ったGWASの結果と比較することで、PARK16SNCALRRK2が人種間で共通のPDリスク座位であり、BST1MAPTは人種間で異なる座位であることが明らかになった。今回の研究成果によって、2か所のPD感受性座位が新たに同定され、常染色体優性遺伝性パーキンソニズムの遺伝子の典型的PDへのかかわりが明らかになった。さらに、人種間の差異がPDの遺伝的多様性の一因となることが示唆された。

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