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統合失調症:16p11.2における微小重複は統合失調症と関連する

Nature Genetics 41, 11 doi: 10.1038/ng.474

染色体16p11.2の600kbのゲノム領域に高頻度にみられる微小欠失や微小重複は、小児期発症発達障害にかかわるとされている。本論文では、2つの大きなコホートにおいて、16p11.2微小重複が統合失調症と関連していることを報告する。微小重複は、第1のコホートの症例で12/1,906(0.63%)、対照で1/3,971(0.03%)(P=1.2×10-5、OR=25.8)、関連の再現性を調べるための第2のコホートの症例で9/2,645(0.34%)、対照で1/2,420(0.04%)(P=0.022、OR=8.3)の頻度で検出された。統合データでは、16p11.2微小重複と関連している統合失調症発症リスク(95% Cl(3.3,62))が14.5倍上昇していた。複数の精神疾患のデータセットのメタ解析から、微小重複と統合失調症(P=4.8×10-7)、双極性障害(P=0.017)、自閉症(P=1.9×10-7)との著しい関連が明らかになった。それに対して、微小欠失は、自閉症および発達障害とのみ関連を示した(P=2.3×10-13)。頭周囲は微小重複をもつ患者より、微小欠失のある患者のほうが大きかった(P=0.0007)。

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