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eQTL:高密度の対立遺伝子発現解析により明らかになったヒト細胞のシス多型の包括的パターン

Nature Genetics 41, 11 doi: 10.1038/ng.473

遺伝子の発現を変化させるシスに働く要素の多型は、表現型の違いをもたらす源である。シスに働く発現多型の構成要素を同定することは、対立遺伝子発現量(AE)の違いをマッピングすることによって可能である。AEは、2つの対立遺伝子の転写産物間の相対的発現量の測定値である。我々はイルミナ社のヒト1MビーズチップでAEの定量的計測を行うことにより、AEと関連するSNPの地図を作成した。ヨーロッパ祖先の提供者から得た53のリンパ芽球細胞株を用いて、測定したRefSeq転写産物の30%(2935/9751)に対して並べ替え検定で0.001の有意差をもって影響を与える頻度の高いシス多型を同定した。AEの集団多型の50%超を説明するシス調節多型の効果は、アノテーションのついていない転写産物のみではなく、完全長の転写産物およびそのアイソフォームにも及んでいる。これらの強い影響は、全身性エリテマトーデスと関連する染色体8番のC8orf13-BLK領域の転写産物の遺伝性支配の精密な吟味によって示されたように、シス調節領域SNPの詳細なマッピングを容易にする。関連を高密度に収集することにより、シス調節領域SNPの単離を大規模に行うことが可能になるだろう。

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