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がん:SOX2は肺がんおよび食道扁平上皮がんにおいて増幅されている系譜生存的がん遺伝子である

Nature Genetics 41, 11 doi: 10.1038/ng.465

系譜生存的(lineage-survival)がん遺伝子は、これらの遺伝子が正常な発生において役割を担っている細胞系譜から生じるがんにおいて、体細胞性のDNAの変化によって活性化される。本論文では、肺および食道の扁平上皮がん(SCC)にみられる染色体3q26.33のゲノム増幅のピークが、転写因子遺伝子SOX2を含むことを示す。SOX2はヒトの遺伝性の食道奇形において変異がみられ、正常な食道扁平上皮の発生に必要で、気管基底細胞の分化と増殖を促進し、また、多能性幹細胞の誘導において協調的な役割を果たしている。RNA干渉実験によって示されたように、SOX2の発現は肺および食道の細胞株の増殖や足場非依存性増殖に必要である。そのうえ、不死化気管気管支上皮細胞にSOX2を異所性に発現させると、FOXE1あるいはFGFR2と協調した場合に形質転換がみられた。SOX2に誘導される腫瘍では、扁平上皮分化と多能性の両方を示すマーカーの発現がみられる。これらの特徴は、肺および食道のSCCにおいてSOX2が系譜生存的がん遺伝子であることを明らかにするものである。

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