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骨密度:骨塩密度にかかわる20の遺伝子座がゲノムワイド関連研究の大規模メタ解析によって同定される

Nature Genetics 41, 11 doi: 10.1038/ng.446

骨塩密度(BMD)は、骨粗鬆症の臨床診断や骨折リスクの評価に使用される遺伝性の複雑形質である。北ヨーロッパ系の19,195人の被験者における大腿骨頸部と腰椎のBMDに関する5つのゲノムワイド関連研究のメタ解析を行った。ゲノム規模の有意性(GWS、P<5×10−8)に達した20のBMD遺伝子座を同定した。そのうちの13は、この形質との関連がこれまでには示されていなかった領域に位置決定されている。つまり、1p31.3(GPR177)、2p21(SPTBN1)、3p22(CTNNB1)、4q21.1(MEPE)、5q14(MEF2C)、7p14(STARD3NL)、7q21.3(FLJ42280)、11p11.2(LRP4ARHGAP1F2)、11p14.1(DCDC5)、11p15(SOX6)、16q24(FOXL1)、17q21(HDAC5)および17q12(CRHR1)である。メタ解析によって、1p36(ZBTB40)、6q25(ESR1)、8q24(TNFRSF11B)、11q13.4(LRP5)、12q13(SP7)、13q14(TNFSF11)および18q21(TNFRSF11A)の7つの既知のBMD遺伝子座もGWSレベルで関連を示すことが確認された。BMDに関連する多くのSNPは、骨代謝と関係するシグナル伝達経路の遺伝子に位置決定されており、また、骨粗鬆症やBMDの差異の基礎をなす複雑な遺伝的構造を浮き彫りにする。

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