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カルシウムチャンネル:TRPV4の機能獲得性変異によって常染色体優性短脊柱症が引き起こされる

Nature Genetics 40, 8 doi: 10.1038/ng.166

短脊柱症は、臨床的および遺伝的に不均一な骨格の異形成症群に属し、短体幹、側弯症および軽度の低身長を特徴とする。本論文では、常染色体優性型の短脊柱症の遺伝子座が染色体12q24.1-12q24.2にあることを明らかにする。我々は、この遺伝的区間に存在する遺伝子の中で、軟骨選択的な遺伝子発現パターンを示すことを理由として、候補遺伝子にTRPV4(transient receptor potential(TRP)バニロイド・ファミリーのカルシウム透過性陽イオンチャンネルをコードする)を選択した。この表現型を示す2家系において、それぞれTRPV4のR616QとV620Iの置換をコードする点変異を同定した。このどちらの変異を導入したHEK細胞でも、パッチクランプ法を行うと、機械刺激あるいは、アラキドン酸やTRPV4特異的アゴニストである4α-ホルボール12,13-ジデカノエート(4αPDD)による作動性刺激によって、構成的な活性増とチャンネル活性化上昇を特徴とする劇的な機能獲得が示された。そのため、この研究は骨格の異形成症の病因に、カルシウム透過性TRPイオンチャンネルの活性化という、これまでには知られていなかった機構が関与することを明らかにするものである。

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