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コピー数多型:SNPとコピー数変異に対する統合検出と集団遺伝学的解析

Nature Genetics 40, 10 doi: 10.1038/ng.238

疾患リスクの遺伝的基盤を分析するにはSNPやコピー数変異(CNV)をはじめとする、あらゆる種類の遺伝的変異を評価する必要があり、それらの位置を示す正確な地図、頻度、集団遺伝学上の特徴からこうした分析が可能となる。このたび、ハイブリッド遺伝子決定用アレイ(Affymetrix SNP 6.0)を作製し、180万のゲノム位置における、906,600のSNPと、コピー数を同時に評価した。270のHapMap標本を解析することで、対立遺伝子頻度>1%で分離するコピー数多型(CNP)1320個に対する、integer genotype(整数遺伝子型)からの情報にもとづいたヒトのCNV地図を作成した(2 kb切断点の分解能)。以前に報告されたCNV領域の配列の80%以上は、今回推定したCNVの境界から外れていた。このことは、大型の(>100 kb)のCNVがゲノムに与える影響は、当初報告されていたよりはるかに少ないことを示している。個体ペア間で観察されるコピー数の違いのほぼ80%は、対立遺伝子頻度が5%より大きい高頻度のCNPによるもので、その99%以上は新規の突然変異というよりも伝達で生じていた。高頻度の2つの対立遺伝子がともにCNPの場合、この多型のほとんどはSNPと強い連鎖不平衡の状態にあり、低頻度のCNVのほとんどは特定のSNPハプロタイプに分離していた。

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