Technical Report

コピー数と遺伝子型:SNP、コピー数多型、稀なコピー数変異を統合する遺伝子型呼び出し法と関連解析

Nature Genetics 40, 10 doi: 10.1038/ng.237

一塩基多型(SNP)や、高頻度ないし低頻度でみられるコピー数の変異(CNV)を正確かつ完全に評価するには、遺伝的なバリエーションが疾患に対してどのような役割を果たしているのかを明らかにする必要がある。本論文では、統合的かつ相互に整合性のあるコピー数とSNPから構成される遺伝子型を得るための解析フレームワークを示す。Birdsuiteという名で、ソフトウェアにインスタンス(実例)を作成する4段階からなる解析フレームワークである。すなわちBirdsuiteは、高頻度に観察されるコピー数多型(CNP)の全域でのコピー数を逐次的に決定し、SNPの遺伝子型を呼び出し、隠れマルコフモデル(HMM)によって低頻度のCNVを特定し、各遺伝子座位において配列とコピー数が統合された遺伝子型を生成する(たとえば、AA、AB、BBの呼び出し以外に、Aのヌル、AAB、BBBのような遺伝子型を含む)。このような遺伝子型を対象とすることによって、見かけ上のメンデル遺伝との不一致の割合が減じられるため、各個人がもつ遺伝子型のもとになっている配列がより正確に記述される。本論文ではBirdsuiteソフトウェアを、Affymetrix SNP 6.0アレイから得られたデータに対して使用している。また、これらのSNPとCNVとの組み合わせからなる遺伝子型を表現型との関連解析に利用する方法について、PLINKを用いて実行する方法として紹介する。

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