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進化:全体の多様性とKIRHLAの共進化の証拠

Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2077

キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の遺伝子クラスターは、KIR分子のリガンドをコードしているHLA クラスIの遺伝子座位と同様、高度な遺伝的多様性を示す。本論文では、地理的条件が異なる30集団に属する1,642の個体の遺伝子型を決定し、これら2つの機能的な関連はあるが連鎖はしていない遺伝子クラスターが共進化しているという集団レベルの証拠の有無を検討した。各集団に共通して、活性化KIR遺伝子とそれに対応するリガンドであるHLA群との間に強い負の相関がみられた。特にKIR3DS1とその推定リガンドHLA-B Bw4-801では顕著であった(r=-0.66, P=0.038)。それに対して、いろいろな抑制性KIR遺伝子とそのリガンドでは弱い正の相関がみられた。また、東アフリカからの距離と、活性型KIRおよびその対応リガンドの遺伝子頻度との間に負の相関が観察された。これはHLAKIR遺伝子座の選択が、バランスをとられながら行われていることを示している。現在までに行なわれたKIR-HLAの遺伝子関連解析では大部分が、疾患発症リスクに活性化KIR-HLA遺伝子型が主として影響を及ぼすことを示唆している。これに呼応するかのように、本研究で検討した活性型受容体-リガンドのペアは、抑制性受容体-リガンドのペアと比較して、この2つの複雑な遺伝子系が共進化したという最もはっきりした特徴を示している。

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