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胆石の関連研究:ゲノム規模の関連研究によって肝臓のコレステロール輸送体ABCG8がヒト胆石の感受性因子であることが明らかになる

Nature Genetics 39, 8 doi: 10.1038/ng2101

胆石(胆石症)の有病率は全体の10−20%で、先進工業国では最も頻度の高い疾患の1つであり、経済的にも大きな問題の1つである。胆石の患者280人とその対照360人に対して、500, 000以上のSNPの関連研究を行った。患者1,105人とその対照者873人において、有意性の高い235のSNPについて追跡調査を行い、ABCG8のSNP A-1791411とこの疾患との関連の再現性(対立遺伝子のP値、PCCA=4.1x10-9)を得た。またその後の解析で、このSNPは、rs11887534(D19H)をコードする変異によるものとわかった。さらなる追試を、ドイツ人被験者728人(P=2.8 x 10-7)とチリ人被験者167人(P=0.02)で行ったところ、再現性が得られた。D19H保因者の全体的なオッズ比は、全ドイツ人試料では2.2(95%信頼区間、1.8−2.6、P=1.4 x 10-14)であった。関連はコレステロール結石をともなう被験者でより強かった(オッズ比=3.3)。つまり、胆汁中へのコレステロールの効率的な輸送にHis19が関連する可能性が示唆される。

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