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繊毛タンパク質:ネフロシスチン4の相互作用タンパク質である基底小体タンパク質RPGR1PILをコードする遺伝子の突然変異はジュベール症候群を引き起こす

Nature Genetics 39, 7 doi: 10.1038/ng2069

タンパク質-タンパク質相互作用解析から、その破壊によりネフロン癆(NPHP)、レーバー先天性黒内障、Senior-Løken症候群(SLSN)、もしくはジュベール症候群(JBTS)が発症する、繊毛タンパク質と基底小体タンパク質のネットワークを明らかにされている。ところが、これらの疾患の根底にある分子機序の詳細はほとんどわかっていないままである。RPGRIP1様タンパク質(RPGRIP1L)は、レーバー先天性黒内障で欠損している繊毛タンパク質のRPGRIP1(RPGR相互作用タンパク質1)の相同タンパク質である。我々は、RPGRIP1Lがネフィロシスチン4と相互作用すること、そしてSLSNを引き起こすことが知られているネフィロシスチン4をコードする遺伝子(NPHP4)に存在する突然変異がこの相互作用を阻害することを示す。RPGRIP1Lはいたるところで発現しており、その産物であるタンパク質は基底小体に局在する。そこで我々は、RPGRIP1LをJBTSの候補遺伝子として解析し、特徴的な中脳後脳の形成不全をはじめとする典型的なJBTSを発症した3家系で機能喪失型突然変異を同定した。本研究はRPGRIP1LがJBTSの原因遺伝子であることを同定し、この疾患の病態生理における繊毛や基底小体の重要な役割を明らかにするものである。

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