Technical Report

変異誘発:マウスでのより簡単でより迅速なゲノム規模の変異誘発をめざして

Nature Genetics 39, 7 doi: 10.1038/ng2060

本論文では、ゲノムの大規模な機能解析を目的として、マウスゲノムのコード配列もしくは膨大な非コード領域を系統的に変異させる、Cre-loxPとトランスポゾンpiggyBackにもとづいた実用的な変異誘発戦略を説明する。このアプローチを実証するために、我々は最初に、プロトカドヘリンα、βおよびγ遺伝子クラスター(PcdhaPcdhbおよびPcdhg)で、loxPを含んだ機能喪失性対立遺伝子を作製した。適切な指針のもと、これらの対立遺伝子を使用して、Cre-loxP部位特異的な組換えが、Pcdhaや、PcdhaからPcdhbまでの欠失など、生殖細胞系列での大きな欠失や重複の生成を促進し、単なる交配によって、in vivoで効率的に導入対立遺伝子の組換えを仲介できる(つまり、5.5%−21.6%の頻度で)ことを示す。また同じ交配方法によって、1%以上の予期しない頻度で、非相同染色体間で、目的とした生殖細胞系列での転座を作製することができる。マウスゲノム全体にわたって、無作為にloxP部位を挿入し、分布させるために、トランスポゾンであるpiggyBackを組み込むことによって、再度単なる交配を行うことにより、挿入による機能喪失性対立遺伝子やコンディショナルな機能回復性対立遺伝子の作製に加え、ゲノム規模の欠失や重複を作製する簡単であるが包括的な方法を示す。

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