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エピスタシス:エピスタシスによる、酵母の二重欠失株における適応度低下の緩衝作用

Nature Genetics 39, 4 doi: 10.1038/ng1986

有害突然変異間の相互作用についての研究は、その強度や方向性によって、どのように遺伝的組換えが展開し、集団での突然変異による適応度の低下が生じるかを解明するうえできわめて重要であるという事実にもかかわらず、十分におこなわれていない。我々は、ドイツ・MIPS(Munich Information Center for Protein Sequences)のタンパク質データベースおよび参考文献7から、増殖欠損を引き起こす758の酵母遺伝子の欠失株のリストを作成した。BY4741およびBY4742という単一欠失株を用いて、639のランダム交配をおこない、結果として生じた子孫細胞の増殖曲線について調べた。欠失の生じていない菌株と二重欠失をもつ菌株の最大増殖速度は平均して、単一欠失をもつ菌株の最大増殖速度を上回っていた。この傾向は、さまざまな機能分類に属する遺伝子に共通してみられる。我々は、今回のデータならびに以前の理論的な研究にもとづいて、迅速に生物量を産生する能力が適応度に大いに寄与する場合には、エピスタシスによって突然変異の負の効果が弱められる可能性が高いのではないかと考えている。

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