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神経:spatacsinをコードするSPG11の変異は脳梁菲薄化をともなう痙性対麻痺の主な原因である

Nature Genetics 39, 3 doi: 10.1038/ng1980

脳梁菲薄化(TCC)をともなう常染色体劣性の遺伝性痙性対麻痺(ARHSP)は一般的な疾患で、家族性痙性対麻痺とは臨床的に異なった型である。また、その患者家系の大部分が15番染色体のSPG11遺伝子座に連鎖している。我々は、ARHSP-TCCの12家系を解析し、SPG11の候補区間を絞り込んだ。そして、神経系に普遍的に発現しているが、小脳、大脳皮質、海馬および松果体に最も顕著な発現が認められる、これまでに特徴が明らかになっていない遺伝子において、10の変異を同定した。これらの変異は、ナンセンス変異あるいは挿入・欠失変異で、フレームシフトを生じる。このため、機能喪失のメカニズムが示唆される。この遺伝子の機能の同定は、この頻発型ARHSPにおける皮質脊髄路や他の脳構造の変性を引き起こすメカニズムを理解する手がかりになるであろう。

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