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クローン病の関連研究:非同義SNPを用いたゲノムワイドの関連解析が明らかにしたATG16L1内にあるクローン病の感受性変異

Nature Genetics 39, 2 doi: 10.1038/ng1954

我々は19,779の非同義SNPを用いたゲノムワイドの関連解析を、735のクローン病の患者と368の対照者に対しておこなった。これらのSNPのうち7,159のSNPが、解析に使用できる情報を備えていた。対立遺伝子にもとづく疾患関連テストでP≦0.01のSNPの72すべてを用いて、別の380の患者と両親、498のクローン病単独例、1,032の対照者で追試した。ATG16L1(authophagy-related 16-like 1)遺伝子内のrs2241880と病気との関連は、これらの症例で再現性が得られ(P=4.0×10-8)、またイギリスの症例対照研究でも確認できた(P= 0.0004)。ハプロタイプ解析と回帰分析の結果、コード領域のSNP(T300A)であるマーカーrs2241880が、実質的にATG16L1座位によって影響される疾患リスクのすべてを担っていることがわかった。ATG16L1遺伝子は、細胞内細菌を処理する自食小胞の経路上にあるタンパク質をコードする。我々はクローン病のリスクに関して、rs2241880と、感受性との関連が証明されている遺伝子変異CARD15との間に、統計的に有意な(P=0.039)相互作用があることを発見した。rs2241880と潰瘍性大腸炎の間には関連がない(P>0.4)ことを合わせて考えると、これらのデータは、元になる生物学的過程はクローン病に特異的なものであることを示唆している。

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