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免疫:ATP感受性カリウムチャンネルは哺乳類や昆虫において感染時に生存を助けるように働く

Nature Genetics 39, 12 doi: 10.1038/ng.2007.25

特定の恒常性維持機構が、自然免疫応答での安定性をもたらし、感染による損傷あるいは死を防ぐ。本論文では、N-エチル-N-ニトロソ尿素変異誘発マウスのスクリーニングから、マウスサイトメガロウイルス感染に非常に高い感受性を示し、またリポ多糖(LPS)、poly(I-C)および免疫活性化(CpG)DNAに、約20,000倍感作される突然変異について明らかにする。LPS過敏症の表現型は、LPS応答に寄与する遺伝子であるMyd88TrifTnfTnfrsf1aIfnbIfngあるいはStat1の突然変異によって抑制されず、造血細胞の外因的な異常に起因する。この表現型は、Kir6.1をコードするKcnj8がヌル対立遺伝子であることが原因である。このKir6.1タンパク質は、SUR2に結合し、冠動脈平滑筋や内皮細胞に発現するATP感受性カリウムチャンネル(KATP)を形成する。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では、RNA干渉によってdSURを抑制すると、同様にflock houseウイルス感染への過感受性が引き起こされる。したがって、KATPは、感染時の恒常性維持機能に役立つように進化し、また、哺乳類では、TLRおよび/あるいはMDA5免疫受容体依存的なサイトカインによって引き起こされる冠動脈血管収縮を防ぐ。

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