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DNAメチル化:シロイヌナズナDNAのメチル化をゲノム規模で解析して発見されたメチル化と転写との相互依存関係

Nature Genetics 39, 1 doi: 10.1038/ng1929

シトシンのメチル化は転写を抑制するDNA修飾として一般的な形式であり、脊椎動物、植物および菌類のトランスポゾンと反復配列に認められる。本研究では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のゲノム全体に存在するDNAメチル化部位を高精度でマッピングした。DNAメチル化はトランスポゾン全体にみられ、シロイヌナズナの遺伝子上にも多数存在している。遺伝子上のメチル化は遺伝子の末端から離れた部分に著しく偏在しており、RNAポリメラーゼの移動に依存していることが示唆される。遺伝子のメチル化は転写に大きく左右され、転写量が中程度の遺伝子が最もメチル化される一方、両極端の遺伝子は最もメチル化されにくいと考えられる。逆に、転写もメチル化の影響を受けており、短いメチル化遺伝子は発現量が低く、本体がメチル化されていない遺伝子は転写量が増大する。今回の結果は、遺伝子の転写とDNAメチル化が緊密な関係をもつ過程であることを示している。

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