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CpG島メチル化形質は散発性のマイクロサテライト不安定性の原因であり、大腸がんのBRAF変異と密接に関連している

Nature Genetics 38, 7 doi: 10.1038/ng1834

CpG島の異所性のメチル化は、ヒトの大腸がんにおいて広く見られてきており、それがプロモーター領域に起これば、遺伝子のサイレンシングをともなう。あるタイプの大腸がんでは、いくつかのCpG島において異常に高い頻度のメチル化が起こっており、「CpG島メチル化表現型(あるいはCIMP)」と呼ばれる独特な特徴をもつようになる。しかし、CIMPの存在は議論のあるところであり、我々はこの長引く論争を解決するために、MethyLight技術を使って、295の原発性ヒト大腸がんに対して、195のCpG島メチル化マーカーを系統的にかつ段階的にスクリーニングし、16,785回の定量的解析をおこなった。CIMP陽性(CIMP+)腫瘍は、別個のサブセットであることの確信を得ることができ、ほとんどすべての症例でBRAF変異を有している(オッズ比=203)ことが見いだされた。散発性のミスマッチ修復欠損症例は、ほとんど例外なく、CIMPをともなうMLH1のメチル化の結果引き起こされる。我々はCIMP+腫瘍を判別する強力な新マーカーパネルを提唱する。

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