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求心性聴覚路の新規同定タンパク質であるpejvakinをコードする遺伝子の変異はDFNB59神経性聴覚障害を引き起こす

Nature Genetics 38, 7 doi: 10.1038/ng1829

auditory neuropathy(神経性聴覚障害)は、蝸牛の外有毛細胞は機能しているが、聴覚シグナルの神経伝達が損なわれているという特定の聴覚障害である。本論文では、染色体2q31.1-q31.3に存在する新規同定遺伝子DFNB59が、常染色体劣性のauditory neuropathyを分離する4家系において変異していることを報告する。DFNB59は352残基のタンパク質pejvakinをコードしており、pejvakinはDFNA5のパラログである。DFNA5は難聴に関与するのが知られているタンパク質であるが、その機能は未知である。免疫組織蛍光染色をすると、pejvakinは求心性聴覚路ニューロンの細胞体に見いだされる。さらに、DFNB59 auditory neuropathyの1家系において同定されたR183W変異をホモ接合性にもつDfnb59ノックインマウスは、聴覚路に沿ったニューロンの機能不全を示す異常な聴性脳幹反応を示す。これまでに報告された感音難聴遺伝子は、そのすべてが蝸牛の細胞の病変の原因となっているのだが、それとは異なり、DFNB59は、ニューロンの異常による非症候性難聴に関与する初めてのヒト遺伝子である。

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