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インターフェロン制御因子5(IRF5)にみられる共通のハプロタイプが、そのスプライシングと発現を調節し、全身性エリテマトーデスのリスク上昇に関連する

Nature Genetics 38, 5 doi: 10.1038/ng1782

全身性エリテマトーデス(SLE)は、I型インターフェロン(IFN)経路の活性化を特徴とする複雑な自己免疫疾患である。本論文では、IFN制御因子5(IRF5)のrs2004640 T 対立遺伝子座がSLEに関連することを、4つの独立した症例対照コホート研究(P= 4.4 ×10-16)、および、家系にもとづく伝達不平衡テスト解析(P= 0.0006)によって再現性をもって確認した。rs2004640 T 対立遺伝子座は、IRF5において選択的エキソン1の5'スプライス供与部位を作りだし、これにより、IRF5の独特のアイソフォームがいくつか発現された。またこれとは別に、IRF5の発現上昇に関連するシス作用性変異を同定し、それがエキソン1Bのスプライス部位と関係することを見いだした。発現上昇とエキソン1Bのスプライス供与部位欠損に関連する変異をもつハプロタイプは、SLEのリスクをもたない。それゆえ、IRF5に独特な多数のアイソフォームの発現を上昇させる共通のIRF5ハプロタイプは、SLEの重要な遺伝的リスク因子となり、ヒトの自己免疫においてI型IFN経路の遺伝子が原因となることを示すものである。

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