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大腸癌のエピジェネティックなリモデリングによって染色体のバンド全体にわたる協調的な遺伝子サイレンシングが起こる

Nature Genetics 38, 5 doi: 10.1038/ng1781

長い領域にわたって協調して起こるエピジェネティックな遺伝子サイレンシングを含む、癌化の新しい機序について報告する。癌におけるエピジェネティックなサイレンシングは常に、個々の遺伝子を抑制する局所的な出来事として認識されてきた。しかし、本研究の大腸癌におけるサイレンシングでは、染色体2q.14.2の領域にある4Mb全体が共通して抑制されており、ヒストンH3 Lys9の全体的なメチル化をともなっていることが見いだされた。ゲノムが抑制された一帯において、DNA高メチル化は3つの別々なCpG島「地区」に局在しており、一番大きな高メチル化地区は1Mbにも及んでいる。これらのデータは癌細胞におけるエピジェネティックな遺伝子のサイレンシングに対する我々の理解を変えるものである。すなわちエピジェネティックなサイレンシングは染色体の長い領域に及ぶもので、DNAがメチル化された遺伝子と、その近隣のメチル化を受けていない遺伝子は、ヒストン修飾の全体的な変化によって協調して抑制される。遺伝子発現の抑制は、長い領域のエピジェネティックなサイレンシングによって起こり、癌におけるヘテロ接合性の消失と同じ意味をもつものであることを提唱する。

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