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統合的ゲノム解析によるヒトミトコンドリア病の体系的な同定

Nature Genetics 38, 5 doi: 10.1038/ng1776

I型糖尿病は多くの遺伝的座位によって影響を受けている自己免疫性疾患である。20以上のインスリン依存性の座位(Idd)がマウスの非肥満型糖尿病(NOD)において関与していることがわかっているが、原因となる遺伝子の変異はほとんどわかっていない。本論文では、RNA干渉(RNAi)がこの病気のモデルにおいて候補遺伝子を探るのに使用できることを示す。Slc11a1はファゴソームのイオントランスポーターであるNramp1をコードしており、細胞内の病原体に対する抵抗性に影響して、また抗原提示にも影響を及ぼしている。この遺伝子はIdd5.2の領域にある42個の遺伝子のうち最も可能性の高い候補である。耐性Idd5.2ハプロタイプに起こった自然発症突然変異では、Nramp1タンパク質の機能喪失が起こっている。我々はレンチウイルスを用いた遺伝子導入によって、Slc11a1遺伝子をRNAiによって抑制したNODマウスを作製した。抑制によってI型糖尿病の発症頻度が下がり、耐性Idd5.2領域の形質とよく似ていた。我々の結果は、Slc11a1がI型糖尿病の感受性を修飾する働きをしていることを証明しており、RNAiが哺乳類のモデル生物の原因遺伝子の研究に用いうることを示すものである。

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