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ヒトの癌におけるHDAC2の切断型突然変異はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に対する耐性をもたらす

Nature Genetics 38, 5 doi: 10.1038/ng1773

ヒストンのアセチル化の阻害は癌細胞に共通した特徴であるが、その遺伝学的根拠についてはほとんど知られていない。我々は、マイクロサテライト不安定性を示す孤発性癌腫や、遺伝性非腺腫性大腸癌患者に生じる腫瘍において、ヒトの主要なヒストン脱アセチル化酵素の1つであるHDAC2の切断型突然変異を同定している。HDAC2にフレームシフト突然変異が存在すると、HDAC2タンパク質の発現と酵素活性が消失し、その結果、これらの細胞は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤が通常示す抗増殖性効果およびアポトーシス促進効果に対してさらに耐性となる。このような薬剤は癌治療薬となる可能性があるので、本研究成果はこういった患者に対して、HDAC2 における切断型突然変異の頻度を指標にした薬理遺伝学的な治療の可能性を示すものである。

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