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inturnedあるいはfuzzyの機能を欠損する胚における繊毛形成異常は平面内細胞極性とヘッジホッグシグナル伝達の異常に関連する

Nature Genetics 38, 3 doi: 10.1038/ng1753

脊椎動物の平面内細胞極性(PCP)経路は、細胞の運命に対してではなく、極性のある細胞の動態に対して制御をおこなうことがこれまでに明らかになっている。本論文では、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のPCPエフェクターであるinturned(in)あるいはfuzzy(fy)のアフリカツメガエル(Xenopus laevis)ホモログを阻害すると、PCP依存的な収斂伸長が影響を及ぼされ、ヘッジホッグシグナル伝達の異常と一致する胚の表現型が誘導されることを報告する。ヘッジホッグシグナル伝達のこうした異常は、繊毛形成においてInturnedとFuzzyが広範囲にわたり必要とされている結果、生じたものである。我々は、これらのタンパク質が先端側のアクチンの集合を支配し、その結果、繊毛微小管の集合ではなく、配向を制御することを示す。そして、繊毛の基部装置の近くにDishevelledとInturnedが蓄積することから、これらのタンパク質が中心的PCP構成因子と共通の経路で繊毛形成を調節する機能をもつことが示唆される。つまり、これらのデータは、細胞の極性、細胞の形態形成、シグナル伝達および細胞の運命決定の間の相互関係を明らかにするものである。

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