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哺乳類の体内時計の機能にはフィードバック抑制が必要である

Nature Genetics 38, 3 doi: 10.1038/ng1745

体内時計の機能において転写がフィードバック抑制を受ける必要があるという直接的な証拠を得ることはむずかしいとされてきた。本論文では、哺乳類細胞における分子遺伝学的スクリーニングの手法を開発し、概日リズムをつかさどる転写活性化因子であるCLOCKとBMAL1について、CRYPTOCHROME(CRY)を介した転写抑制がおこらなくなった突然変異を同定した。注目すべきは、CLOCKのPER-ARNT-SIMドメインおよびBMAL1のC末端に生じた突然変異が、CRYとの物理的相互作用が低下することで相乗的にCRYの支配を受けなくなったことである。これらの変異タンパク質を培養線維芽細胞において同時発現させ、細胞集団および単一細胞レベルの発現解析をおこなうと、概日リズムが消失する表現型を示した。これらの実験結果は、哺乳類の時計機能には、CLOCK/BMAL1複合体の転写促進活性がCRYによって抑制されることが必要であることを示している。

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