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ミオシン重鎖11における変異は胸部大動脈瘤/大動脈解離と動脈管開存症に関連する症候群を引き起こす

Nature Genetics 38, 3 doi: 10.1038/ng1721

我々は最近、胸部大動脈瘤ないしは大動脈解離(TAAD)と動脈管開存症(PDA)を示す2家系について報告し、その疾患遺伝子座を16p12.2-p13.13に位置決定した。今回の論文では、この疾患が平滑筋細胞(SMC)に特異的な収縮性タンパク質である平滑筋ミオシン重鎖をコードする遺伝子MYH11の変異によって引き起こされ、この変異が平滑筋ミオシン重鎖のC末端コイルドコイル領域に影響を与えることを明らかにする。この変異をヘテロ接合性でもつ人はすべて、たとえ症状がなくても、著しい大動脈の硬化を示した。病変部大動脈では、SMC含量が非常に低く、中膜変性が広い範囲にわたることが検査から示された。SM-MHCの免疫学的認識における異常、およびSMCにおける野生型および変異型の棒状領域タンパク質の共局在、またそれらの共沈能力の差から、優性阻害効果が強力に示唆される。ヒトMYH11遺伝子の変異は、SMC特異的タンパク質の直接的な変化が遺伝性動脈疾患を引き起こすことを示す最初の例である。

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