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クロマチン免疫沈降法による、寿命、代謝、休眠を制御するDAF-16の直接的な標的の同定

Nature Genetics 38, 2 doi: 10.1038/ng1723

DAF-16はフォークヘッド転写因子で、線虫Caenorhabditis elegansの寿命、代謝、耐性幼虫の休眠に対する主要な調節因子である。ところが、DAF-16が複数の機能を調節する正確な機序はほとんど明らかにされていない。本論文では、クロマチン免疫沈降法(ChIP)を用いて、DAF-16の直接的な標的を同定したので報告する。DAF-16の共通結合部位を含む103の標的配列をクローニングし、そのうち33の標的に対してさらに解析をおこなった。これらの遺伝子のほとんどはDAF-16に依存した発現調節を受けており、その半分以上の遺伝子ではその不活性化によって、寿命、脂肪蓄積、耐性幼虫形成をはじめとするDAF-16依存性機能に著しい変化を引き起こした。この結果は、ChIPを利用したクローニング法を用いることによって、既存のスクリーニング法に比べてはるかに多くのDAF-16の標的遺伝子が得られることを示すものである。また、DAF-16が複数のプロモーターへと動員され、その下流に存在する標的の発現を協調的に調節していることも明らかにした。本法により見つかった多数の標的遺伝子は、DAF-16が多様な生理機能をどのように制御しているかを理解するうえでの手がかりとなると期待される。

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