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保存された非コード配列は選択的に束縛されているのであり、変異のコールドスポットではない

Nature Genetics 38, 2 doi: 10.1038/ng1710

非コード領域の遺伝的変異は、ヒトの生物学と病気に影響を与えうると考えられるが、非コード領域の機能的な変異を認識するのは困難である。およそ3%の非コード配列は、進化的に遠く離れた哺乳動物間でも保存されており、これらの進化的に保存された非コード領域(CNC)は、選択的に束縛されており、機能的な変異が存在すると示唆される。しかし、CNCは単に、局所的な変異率が低い領域を表しているという可能性も否定できない。本論文で我々は、この問題について検討し、ハップマップ・遺伝子型データを解析することにより、CNCがヒトにおいて選択的に束縛されていることを示す。特に、CNCのなかにある新しく派生したSNPの対立遺伝子は、保存されていない領域(P=3×10−18)の新しい対立遺伝子よりも稀であり、進化的圧力が、CNCの対立遺伝子頻度を抑制していることを示している。イントロンのCNCと遺伝子の近くにあるCNCは、より大きな対立遺伝子頻度をもち、ミスセンス変異と同じ程度である。したがって、保存された非コード領域の変異は、機能的である可能性がある。対立遺伝子頻度の分布は、選択的に束縛されたゲノム領域を浮かび上がらせることができ、機能的に重要な変異を集中的に探すべき場所を示してくれる。

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