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2段階全ゲノム関連研究には、反復解析よりも統合解析のほうが有効である

Nature Genetics 38, 2 doi: 10.1038/ng1706

ゲノム全体にわたる関連研究は、ヒトの疾患素因となるありふれた遺伝的変異を同定するための有望な研究方法である。何千人もの被験者を対象に、何十万にも及ぶマーカーの遺伝子型判定をおこなうのは、きわめて費用のかさむことなので、全ゲノム関連研究は段階を踏んでおこなわれることが多い。すなわち、ステージ1においては収集したサンプルの一部(πsamples)について、多数のマーカーに関する遺伝子型判定をおこない、引き続くステージ2では、これらのマーカーの一部(πmarkers)について、残りの標本の遺伝子型判定をおこなう。このような2段階の手法で得られたデータを分析する標準的な方法は、ステージ2を1回の反復研究とみなし、ステージ2のデータを単独でみた場合に、統計学的有意性に達しているかどうかを検定することである。本論文では、両ステージからのデータを統合して解析する別な手法が、より厳しい有意水準を用いるにもかかわらず、2つのステージ間で遺伝的影響力が異なる場合でさえも、ほとんどの場合に遺伝的関連の検出力を増大させることを示す。我々は、すべての2段階全ゲノム関連研究に対して統合的解析法を推奨する。特に、比較的大きな割合を占める標本の遺伝子型がステージ1で同定され(πsamples≥0.30)、かなりの割合のマーカーがステージ2での検証用に選択される(πmarkers≥0.01)場合には、そうである。

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